【高額医療】誘発分娩は保険適用される?費用はいくらかかった?
この記事を見ているあなたは、出産を控えており、誘発分娩にかかる費用がいくらか、また誘発分娩は保険適用されるのか知りたいと思っているのだと思います。
この記事の内容をまとめると
- 誘発分娩の費用相場は約3万~20万
- 誘発分娩は一般的に誘発分娩は保険適用されないが、医師の治療行為があれば適用されることもある
自分が受ける誘発分娩が保険適用されると分かり、保険申し込みをし、安心して出産に備えることができる未来を迎えることができるでしょう。
この記事の執筆者
執筆者三浦希枝
FP3級を保持。保険会社に勤めていた経験を持ち、現在は、フリーライターとして独立起業し、3人の子供を育児中。大手メディアでの執筆経験やセミナー開催で講師の実績もあり。
この記事の監修者
監修者さくらやま
FP2級を保持。現在までに200記事以上を執筆し、正確なリサーチ力を元にさまざまな分野についての知識を深める。現在は、12歳と5歳の息子を育児中。
誘発分娩とは
誘発分娩とは、陣痛促進剤などを使って人工的に分娩を誘発させることを言います。薬剤の点滴や内服をはじめ、水風船を子宮頚管に装着する方法が一般的となっています。
母体の状態や赤ちゃんの様子によっては、こういった誘発分娩が考えられることは珍しくありません。誘発分娩が必要になるケースとしては下記が当てはまります。
- 胎盤機能の低下がはじまると言われている妊娠42週目前
- 前期破水後に陣痛が起こらないとき
- 赤ちゃんの発育に問題があったとき
- 胎盤の早期剥離
- 羊水量の減少
- 感染症や母体の合併症
状態によっては帝王切開を医師から勧められることもありますが、誘発分娩は赤ちゃんとママが安全に出産する方法のひとつとして広く用いられています。
誘発分娩にかかる費用の平均は?
一般社団法人全国銀行協会によると、正常分娩では30〜70万費用がかかり、平均値では40〜50万円かかるとデータが挙げられています。
参考:https://www.zenginkyo.or.jp/article/life/child/4370/
出産した時間帯が深夜帯や早朝であったり、土日祝日だったりした場合は費用がより高額になります。誘発分娩になるとさらにどのくらいの費用が上乗せされるのか、確認しておきましょう。
誘発分娩にかかる費用
誘発分娩にかかる費用は、自然分娩にプラス3万〜20万費用が上乗せされるといわれています。
費用に差が出てくるポイントは、行う誘発分娩の種類(方法)や誘発分娩を行う期間の違い。より長い期間誘発分娩を行えばそれだけ費用は高額になり、誘発分娩を複数種類並行して行う場合も費用が高額になります。
誘発分娩の種類と費用
誘発分娩の種類は3種類あります。
- バルーン(ラミナリア・メトロイリンテル)
- 陣痛促進剤・陣痛誘発剤
- 人工破膜
バルーン(ラミナリア・メトロイリンテル)
子宮口や子宮頚管が開きやすいようにする器具で、挿入して膨らませて使用します。棒状のラミナリアと、水風船のようなメトロイリンテルという2種類があります。
バルーンの場合は入院してから挿入することもあり、入院日数が1日長くなる可能性があります。
陣痛促進剤・陣痛誘発剤
妊娠週数が予定日を過ぎても陣痛が起こらない場合や、陣痛が弱い場合に使います。
陣痛が始まったものの陣痛に至らず、お産が長引いているときや、陣痛がそもそも始まらない場合にも用いられます。
人工破膜
卵膜を人工的に破り、破水させて陣痛を起こさせる方法です。
入院期間が長くなるとそれだけ費用負担が大きくなりますから、誘発分娩になった場合の流れについては前もって受診する医療機関に相談しておくと良いでしょう。
誘発分娩は保険適用される?
結論から申し述べると誘発分娩は基本的に保険適用はされません。ですが、場合によっては適用となるケースもあります。ここからは、より詳しく誘発分娩が保険適用されるかどうか紹介していきます。
誘発分娩で保険適用はされるのか?
誘発分娩そのものは医療行為ではないため、保険適用されないのが一般的ですが、医師によって医療行為として行われた場合は、公的保険が適用される可能性があります。
公的保険が適用された場合は、任意で加入していた民間保険も適用になる可能性があります。保険が適用された場合は入院・手術などに対応した医療保険が受け取れるので費用の負担が軽減できます。
保険適用されるケース
保険が適用されるケースは複数あり、代表的なものは以下の通りです。
- 帝王切開
- 吸引出産
- 前期破水(分娩前の破水)
- 長時間の微弱陣痛
医療行為として行われたときには、一般的な保険適用と同じで自己負担額は3割になります。ただ、個室の差額ベット代やリネン代、入院中の食事などは対象外で実費負担となります。
誘発分娩の自己負担額はいくらかかった?
一体、誘発分娩をすると自己負担額はどのくらいになるのか、不安ですよね。ここでは、誘発分娩を行った際に自己負担額がどのくらいかかるのかを詳しく解説していきます。
誘発分娩の自己負担額
誘発分娩にかかる費用の平均は?で紹介した通り、今回は、分娩そのものに平均値である50万円かかったと想定して解説していきます。
子どもが生まれたときに受け取れるお金として、出産育児一時金があります。加入している社会保険から1児につき42万円あるため、平均額50万から42万円引いて8万円が自然分娩の自己負担額の平均といえるでしょう。
そこに誘発分娩にかかった費用(3〜20万円程度)が上乗せされるため、11万〜28万円が誘発分娩の自己負担相当額と考えておくのが有効です。
誘発分娩は高額医療制度の対象になるのか
高額医療制度を利用すれば、誘発分娩による自己負担額を減らせます。ただ、誘発分娩では基本的に医療保険適用にはならず、高額医療制度も利用できません。
ここからは、高額医療制度についてより詳しく紹介していきます。
高額医療制度とは
高額医療制度は、高額な医療費を負担する場合に、同じ月内に一定の負担額を超えた分の払い戻しが受けられる制度です。
医療機関からもらえる診療報酬明細書を審査したうえで払い戻しがなされるために、払い戻し金が受け取れるのは3か月程度後になることが一般的となっています。
一定の負担額は収入によって異なるため、自分がどの区分に属するのかを前もって確認しておくと安心です。
誘発分娩で高額医療制度の対象となるケース
異常のない誘発分娩は、自然分娩と同じとみなされるため、公的保険の対象にはなりません。よって、高額医療制度の対象外となります。ただし、以下のような場合は高額医療制度の対象になります。
- 誘発分娩から帝王切開など手術がともなう出産に切り替わった場合
- 妊娠高血圧症といった病気の治療として処置された場合
妊娠中でも加入できる保険は
医療保険の多くは妊娠中は加入できません。しかし、なかには妊娠中にも加入できる保険があります。以下の3つの保険は、妊娠中でも加入が可能です。
- エクセルエイド
- コープ共済
- 県民共済
ここでは、妊娠中でも加入できる保険についてどのような特徴があるのか詳しく解説していきます。
エクセルエイドの妊娠保険の特徴
- 妊娠週数に関わらず加入可能
- 帝王切開でも給付金が受け取れる
- 出産後の歯科通院補償の特約がある
エクセルエイドはお得な保険料で妊娠週数に関係なく加入できる医療保険です。
保険が適用になった場合は、入院給付金が入院日数×5,000円受け取れ、さらに手術給付金も最高50,000円受け取れます。
コープ共済の特徴
- 妊娠中かどうかの告知義務がない
- 死亡保障もついた総合型保険
- 女性のみ入院時の諸費用サポートとして入院日額が+2,000円
- 特約で個人賠償責任保険も付帯できる
コープ共済のたすけあい(女性コース)は、帝王切開をはじめとした異常分娩、異常妊娠の場合に給付金が受け取れます。加入する際に必要な告知には正常な妊娠についての設問がなく、妊娠中でも加入が可能です。
月2,000円からの掛け金であるにも関わらず、ケガ・病気での入院時をはじめ、手術給付金、死亡保障もついた総合型の保険です。
県民共済の特徴
- 妊娠中でも加入可能
- 出産お祝い金がある県民共済もある
- 決算で剰余金が生じた年には割戻金が受け取れる
都道府県共済でも保険事業を展開しており、こちらも妊娠中に加入が可能です。最大の特徴は、毎年割戻金が受け取れるということ。総合保障型・入院保障型だと33.06%の掛け金が戻ってくるのです。
入院や手術をして給付金を受け取る機会がなかったとしても、割戻金が受け取れるため保険料負担が軽減されます。例えば神奈川県の県民共済の場合、総合保障型・入院保障型だと33.06%の掛け金が戻ってくるのです。
まとめ:誘発分娩は保険適用されるのか
誘発分娩は基本的に保険適用されませんが、出産になんらかのリスクがあり医療行為として行われた場合には、適用される可能性があります。適用された場合には、民間の医療保険の給付も受けられる可能性があります。
妊娠中でも加入できる医療保険を検討しておくと、出産・分娩にかかる費用負担を軽減でき安心できます。誘発分娩となる可能性も視野に入れつつ、なにがあっても安心して出産に臨めるよう保険について一度確認しておくことをおすすめします。
公的な保険が適用された場合は、高額医療制度を活用することも可能です。1ヶ月の医療費が限度額を超えた場合は、所定の手続きによって還付を受ける事ができます。