お腹に赤ちゃんがやってくると、体にはさまざまな変化が現れます。ママになったことへの期待や不安、ホルモンバランスの変化などによって心が大きく揺れ動くこともあるかもしれません。

そんな心身が不安定な時期だからこそ、自分の体にどんな変化が起こるのか、どんなことに気をつければ良いのか、きちんと知っておくことが大切です。

この記事では、妊娠初期に起こる体の変化と、食事・生活習慣で気をつけるべきポイントを解説します。あなたが安心して妊娠生活を送るために、そしてお腹の赤ちゃんの健康を守るために、この記事が少しでもお役に立てば幸いです。

妊娠初期に起こる体の変化

妊娠初期とは、妊娠1~4ヶ月(0~15週)を指します。妊娠前の最終月経の開始日を妊娠0週0日としてカウントするので、妊娠初期にはまだ排卵や受精をする前の時期も含むということですね。

妊娠初期の症状は、だいたい妊娠4~5週あたりで現れ始めます。個人差があるため特に症状が現れない人もいますが、以下のような症状が出ることがあります。

多くの人が経験する「つわり」

妊娠初期の症状は人それぞれ違いますが、中でも多くの人が経験するのが「つわり」ではないでしょうか。

つわりは妊娠5週ごろから始まり、最も症状が重いのが妊娠9週前後、妊娠16週ごろには落ち着く人が多いと言われています。ただし、つわりが全くない人もいれば出産直前まで続く人もいて、個人差が大きいものです。

症状もさまざまで

などがあります。

中でも最も多いのが、半数以上の妊婦が経験すると言われている「吐きづわり」です。また、「吐きづわりとにおいつわり」のように複合型の人もいます。

つわりによる吐き気や嘔吐はとてもつらいものですが、それらの症状緩和には「ビタミンB6」が有効だと言われています。

ビタミンB6は妊娠初期に特に重要な栄養素である「葉酸」の働きも助けてくれます。ただし、サプリメントなどによる摂取は必ず医師に相談のうえでおこなってくださいね。

食事から摂取するなら、にんにく、ピスタチオ、ブロッコリー、バナナ、鶏ささみ、鮭などがおすすめです。なお、妊婦のビタミンB6推奨摂取量は1日1.3mg、摂取上限量は1日45mgです。(バナナ1本=約0.57mg)

妊娠初期に起こる心の変化

妊娠初期は、母親になる期待と不安、体の変化、ホルモンバランスの乱れなどによって怒りっぽくなったり、わけもなく悲しくなったりと、心のコントロールが難しくなることがあります。

心身の変化で思い通りに行動できなくなりそうであれば、自分の心や体の状態をパートナーや家族に伝え、生活面で協力してもらいましょう。

パートナーや家族は「妊婦さんは自分の体や心が思い通りにならないことがある」ということを念頭に置き、思いやりのあるコミュニケーションを心がけてくださいね。

妊娠初期に生活で気をつけるポイント

風邪・感染症

妊娠すると免疫力が低下します。これはママの免疫細胞がお腹の赤ちゃんを異物とみなして攻撃しないようにするための仕組みです。そのため、妊娠中は今まで以上に風邪や感染症に注意してください。

インフルエンザの予防接種は妊娠中でも受けられるので、秋~冬になったら受けておきましょう。

薬の服用

お腹の赤ちゃんに影響を与える薬もあるため、妊娠前から継続的に飲んでいる薬がある場合は妊娠がわかった時点で必ず主治医に相談してください。

また、独断で市販薬を服用しないようにしましょう。薬を飲みたいほどの不調がある場合は、妊娠中に飲める薬を処方してもらえるよう医師に相談してください。

葉酸摂取

ビタミンB群の一種である葉酸は、細胞の分裂や成熟に大きくかかわる栄養素です。

特に神経管の形成時期である妊娠初期に摂取することで、神経管閉鎖障害(二分脊椎症、無脳症など)の発症を減らせることがわかっています。

胎児の神経管が完成するのは妊娠6週ごろのため、なるべく早く(できれば妊娠前)から摂取しましょう。厚生労働省は、妊娠中の葉酸推奨摂取量を以下のように定めています。

妊活中~妊娠3ヶ月 食事から240㎍+サプリメントなどから400㎍
妊娠4ヶ月~出産 食事から480㎍
授乳中 食事から340㎍

参照:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)

車の運転

妊娠中はつわりなどの体調不良、眠気、注意力の低下が起きやすく、車の運転には注意が必要です。また、どんなに自分が気をつけて運転したとしても、不注意や無謀な運転により事故に巻き込まれることがあります。

もし、自動車事故にあった場合は、たとえ異常を感じなくても必ず産婦人科を受診しましょう。

タバコ

妊娠中の喫煙は1日1本であっても絶対にやめましょう。

お腹の赤ちゃんや胎盤が低酸素状態になり、前置胎盤(胎盤が子宮口を覆ってしまうこと)、流産、早産、胎児奇形、胎児死亡、新生児死亡などのトラブルを引き起こすことがあります。

妊娠初期に食べ物で気をつけるポイント

生もの

妊娠中にリステリア菌という食中毒菌に感染すると、お腹の赤ちゃんに敗血症や流産などの深刻な影響が出ることがあります。

リステリア菌は塩分に強く、冷蔵庫でも増殖するため注意が必要です。厚生労働省では、リステリア食中毒の主な原因食品として、妊婦は以下の食品を避けるよう指導しています。

また、加熱が不十分な肉類(馬刺し、鶏刺し、レアのステーキ、ローストビーフなど)や、洗浄が不十分な野菜・果物を食べると、寄生虫によりトキソプラズマ症に感染し、お腹の赤ちゃんの目・脳・肝機能などに障害が生じることがあります。また、重症化すると流産を引き起こすこともあります。

アルコール

妊娠中の飲酒は、お腹の赤ちゃんに低体重、脳障害、顔の奇形などの影響を与える可能性があります。少量の飲酒でも影響を及ぼす可能性があるため、お酒は完全にやめるようにしましょう。

水銀を多く含む魚

水銀は魚(イルカやクジラを含む)の体内に残留しており、食べることで私たちの体に取り込まれます。お腹の赤ちゃんは体外に水銀を排出できないため、お母さんが水銀濃度の高い魚をたくさん食べると、赤ちゃんの発達に影響を与えるとされています。

特にキンメダイ、メカジキ、マグロなど食物連鎖の上位にいる魚は水銀濃度が高くなります。水銀濃度の高い魚を食べる場合は、厚生労働省が発表している摂取量を参考にしてください。

厚生労働省「お魚について知っておいてほしいこと」

ビタミンAを多く含む動物性食品

動物由来のビタミンAは、妊娠初期に摂りすぎると赤ちゃんの先天奇形が増加することが報告されています。妊娠3ヶ月以内は特に、レバーやうなぎなどのビタミンA含有量が多い食材の摂取は少量にしましょう。うなぎであれば40~50gが目安です。

ヨウ素を多く含む食材

昆布やわかめなどの海藻に多く含まれるヨウ素を過剰に摂取すると、赤ちゃんの甲状腺機能が低下する可能性があります。

一方で、ヨウ素が不足すると赤ちゃんの発育不全や精神遅延、流産、死産を引き起こすことがあります。妊婦の推奨摂取量は240㎍、摂取上限量は2,000㎍です。

◆ヨウ素含有量の目安

昆布(乾燥)5cm角 10,000㎍
ひじき(乾燥)5g 2,250㎍
わかめ(水戻し)10g 190㎍

カフェイン

妊婦がカフェインを摂りすぎると、赤ちゃんが低体重になる可能性があります。WHO(世界保健機構)は、1日の摂取量をコーヒー3~4杯までにするよう呼びかけています。

コーヒーだけでなくエナジードリンク、緑茶(特に玉露や抹茶)、紅茶などにも多くのカフェインが含まれるため注意が必要です。

妊娠・出産のリスクに備えるためには

妊娠初期は生活や食べもので気をつけるポイントがたくさんありますが、それ以外にも妊娠・出産にはさまざまなリスクがあります。

妊娠・出産期は女性にとって最も入院や手術のリスクが高い時期と言えます。

なにが起こるかわからないからこそ医療保険に加入するなどして急な出費にも備えておくと安心ですが、妊娠してから医療保険に加入してもその妊娠に関しては保障対象外となる場合がほとんどです。

しかし、そんなときは妊娠保険(母子保健)という選択肢もあるので安心してください。妊娠保険(母子保健)は妊娠してから加入する妊婦さん専用の医療保険です。

妊娠・出産にかかわるトラブルを保障してくれるだけでなく、生まれてくる赤ちゃんの入院・手術を保障してくれるものもありますよ。

医療保険に加入していない、医療保険に加入しているけど妊娠・出産への備えを厚くしたい、赤ちゃんになにかあったときのために備えたい、という人は妊娠保険(母子保健)への加入をぜひご検討ください。

妊娠中は心も体も不安定になりがちです。少しでも安心して過ごせるよう、どんな準備が必要か、ご家族とぜひ話し合ってみてくださいね。

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