日本では避妊と言えばコンドームを利用することが多いですが、その避妊率がどのくらいかご存知ですか?

望まない妊娠や人工中絶のリスクを負うのは女性なのに、なぜか避妊は男性主体になりがちです。

自分の体と心を守るためにも避妊をパートナー任せにせず、どんな避妊法があるのか、その避妊率はどのくらいなのか、多くの女性に知っていただけたらと思います。

今回は、どんな選択肢があるかを知っていただくために、避妊法を6つ紹介します。それぞれのメリット、デメリット、避妊率などを詳しく解説しているので、自分にぴったりの避妊法を見つけてください。

避妊法の種類とそれぞれのメリット・デメリット

コンドーム

コンドームは、日本でもっともポピュラーな避妊法です。勃起したペニスに薄いゴムの袋を装着することで、精子が膣や子宮に進入するのを防ぎます。女性用のコンドームもあるのですが、こちらはあまり普及していません。

コンドームは性感染症を防げるのが最大のメリットなので、他の避妊手段をとる場合でもコンドームとの併用がベストです。

◆メリット

◆デメリット

低用量ピル

「経口避妊薬」「OC(Oral Contraceptives)」とも呼ばれる低用量ピルは、排卵を抑制したり、子宮内を受精卵が着床しにくい環境にしたりする薬です。

女性が毎日同じ時刻に服用することで高い避妊効果が期待できます。PMSや月経痛が軽くなるメリットがあるので、それを目的に使用する人もいます。

◆メリット

◆デメリット

殺精子剤

殺精子剤は、膣の中に精子を殺すゼリー、フィルム、錠剤を挿入する避妊法です。避妊効果が出るのは薬の挿入から約5分後、持続時間は約1時間のため、この時間内に射精が行われなければ意味がありません。

◆メリット

◆デメリット

 

ペッサリー

ペッサリーは、子宮の入り口にゴム製のフタのようなものを装着して精子の侵入を防ぐ避妊法です。使用方法は、殺精子剤を塗ったペッサリーを性交前に自分で装着し、射精後約6~8時間経ってから自分で取り出します。

◆メリット

◆デメリット

IUD・IUS

IUD(Intrauterine device/子宮内避妊器具)は、避妊のために子宮内に装着する小さなプラスチック製の器具のことです。IUDは子宮内の環境を変え、受精卵の着床(妊娠成立)を妨げることにより避妊効果を発揮します。

子宮口から器具を挿入するため、分娩や中絶の経験があり子宮筋腫などのトラブルがない人が、長期的な避妊を希望する場合に適した避妊法です。黄体ホルモンを付加したものはIUS(Intrauterine System/子宮内避妊システム)と呼ばれ、IUDと低用量ピルふたつの特徴をあわせ持つため高い避妊効果があります。

◆メリット

◆デメリット

避妊手術

避妊手術は卵子や精子の通り道をふさぐことで受精できないようにする避妊法です。女性の場合は、卵管を縛って卵子と精子が出会わないようにします。

男性の場合は、精管を縛って精子が射出されないようにします。(パイプカット)一度手術すると元に戻せない場合があるので、避妊手術を受ける前には本当にもう子どもができなくても良いのかよく考える必要があります。

◆メリット

◆デメリット

 

各避妊法の避妊効果はどのくらい?

その避妊法を1年間実践したとき、100人の女性のうち何人が妊娠するか表したものをパール指数と呼びます。

つまり、この数値が低ければ低いほど、避妊効果が高いということです。下表は各避妊法をパール指数が低い順にまとめたものです。

避妊法 パール指数
不妊手術(男性) 0.1人
IUS 0.1~0.2人
低用量ピル 0.27人
不妊手術(女性) 0.5人
IUD(銅付加タイプ) 0.6~2(0.6~0.8)人
コンドーム 2~15人
殺精子剤 6~26人
避妊なし 85人

参考:日本産婦人科医会「望まない妊娠を繰り返さないために」

表を見ていただくと、どの避妊法であっても100%避妊できないこと、そして日本でもっともポピュラーな避妊法であるコンドームの避妊率がそれほど高くないことがわかりますね。

どの方法も確実とは言えませんが、少しでも避妊率を上げるためには避妊法の併用(例:低用量ピルとコンドーム)がおすすめです。

【注意】間違った避妊法

危険日を避ける

避妊を語るうえで「安全日」「危険日」なんて言葉を聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。排卵日付近の妊娠しやすい日を「危険日」、妊娠しにくい日を「安全日」と呼び、それにより避妊の有無を決めるという考え方です。

しかし、実際には「安全日」というものは存在しません。「安全日」や「危険日」は非常に大雑把な目安であり、たとえ月経周期が一定の人であっても、ストレスや身体的疲労によって排卵のタイミングは簡単に変わってしまいます。

「妊娠しやすい日」はあっても「絶対に妊娠しない日」はないということを覚えておいてくださいね。たとえ月経中の性交であっても、妊娠の可能性はありますよ。

膣外射精

膣外射精は、射精する直前に膣からペニスを出す方法です。しかし、射精の前から分泌液に精子が含まれているので膣外射精は避妊にはなりません。

日本産婦人科医会が実施したアンケートで、10代で人工中絶した人のうち約24%が膣外射精だったという報告もあります。

参考:日本産婦人科医会「10代の人工妊娠中絶についてのアンケート結果から」

性交後に膣を洗う

精子は射精後すぐ子宮に到達するため、膣を洗っても避妊の効果はありません。

「精子は酸に弱いので炭酸飲料で洗うと妊娠しない」という噂もありますが、これも全くの間違いです。食品に含まれる酸くらいで死滅することはありませんし、すぐに子宮内へ入っていってしまうため何で洗おうとも意味はありません。

コンドーム2枚重ね

コンドームの避妊率が思いのほか低いことを知ると2枚重ねにしてより効果を確実にしようと考える人もいるようですが、これはかえって危険です。

重ねたコンドームが摩擦でやぶれやすくなったり外れやすくなったりして、避妊の効果が下がってしまいます。男性用コンドームと女性用コンドームの併用も同じ理由でNGです。

避妊できなかったときの対処法

避妊に失敗したり性犯罪の被害にあったとき、望まぬ妊娠を避けるために「アフターピル(緊急避妊ピル)」を飲むという最終手段があることを覚えておいてください。

アフターピルは薬局では購入できないため通販で購入しようとする人もいますが、大変危険なので必ず医療機関で処方してもらってくださいね。アフターピルの服用は、性行為から72時間以内(3日以内)におこなうことが重要です。性行為のあと、時間が過ぎれば過ぎるほど避妊率が下がっていきます。

なお、アフターピルの処方は保険適用外です。医療機関により金額は異なりますが、大体8,000円~2万円程度になることが多いようです。

もし妊娠したら

今回は避妊についてのお話でしたが、最後にいつか「妊娠したい」と思うときが来たら思い出していただきたい、出産前後の備えについてのお話しをさせてください。

女性にとって出産前後は人生でもっとも入院・手術などのリスクが高い時期です。その備えのひとつとして医療保険という手段がありますが、その医療保険は妊娠する前から入っておくことが重要だということを覚えておいてください。

妊娠してから医療保険に加入しようとしても、加入を断られるか、今回の妊娠に関しては保障対象外という条件が付くことがほとんどです。少額短期保険(妊婦さん専用の妊娠保険などもそのひとつ)であれば妊娠してからでも加入できるものもありますが、選択肢は多い方が良いですよね。

どんな保険を選ぶにしても「妊娠前に検討を始めた方が良い」ということを覚えておいてくださいね。

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