今すぐできる!糖尿病を予防する5つのポイントを現役看護師が解説

「糖尿病」ってどんな病気?

糖尿病はなんらかの理由で血液中のブドウ糖の値が上昇し、血糖値が高くなる病気です。
健康な人の食事をする前、お腹が空いている時の血糖値の正常値は70~110㎎/dlです。
糖尿病の人は正常値よりも高い状態が慢性的に継続しています。
血糖値が高くなるのには以下の理由があります。

血糖値が高い状態が継続すると全身の血管がダメージを受け、糖尿病網膜症・糖尿病性腎症・糖尿病神経障害の3大合併症を発症するリスクが高くなります。
それ以外にも、虚血性心疾患、脳梗塞、動脈硬化、認知症になる可能性が高くなるのです。
さらに糖尿病を発症した人はそうでない人と比較し、健康寿命も平均寿命も短い傾向があります。

糖尿病のリスクが1/4に下がる驚きの研究結果

糖尿病の予防と悪化を防ぐためには、食事や生活習慣に留意した健康的なライフスタイルが推奨されています。
けれども毎日健康的なライフスタイルを続けるのは大変ですし、頑張ってもどれくらい糖尿病予防効果があるのかわからず真剣に取り組めない人もいるかもしれません。
そのような方のために、2019年欧州糖尿病学会誌に掲載された研究を紹介します。

糖尿病発症リスクは75%減らせる

報告ではとても健康的な生活を送っている人は、全く健康的ではない生活の人と比べて2型糖尿病を発症するリスクが75%低くなると報告されています。
この研究では世界中のさまざまな地域・人種・年齢の110万人以上を対象に運動や食事・体重管理・睡眠・喫煙・飲酒などの生活スタイルに関連した3つ以上の要因を組み合わせて調査しています。
複数の生活スタイル要因に注意した生活を心がけると、糖尿病発症リスクを下げられることが明らかになったのです。

合併症のリスクも大幅に低減

同研究では、もっとも健康的な生活スタイルとそうでない人のさまざまなリスクを比較しています。
もっとも健康的な人はそうでない人よりも以下のリスクが低いと報告されています。

糖尿病の発症や悪化を防いだ健康的なライフスタイルは、さまざまなリスクを下げる効果が期待できるのです。

糖尿病を予防するポイントを徹底解説

「健康的なライフスタイル」といっても、何に気をつければよいのでしょう。
さきほど紹介した論文では、健康的な生活スタイルの人は全体の14%しかいないと報告されていて、多くの人が生活改善の余地がありそうです。
ここからは食生活や生活習慣などに着目し、糖尿病を予防するポイントをまとめました。

「食生活」5つのポイント

糖尿病を予防する食生活のポイントを紹介します。

ポイント1 ゆっくりよく噛んで食べる

早食いや丸飲みの食習慣は、満腹感を得にくくたくさんの量を食べてしまいます。
よく噛まずに食べると血糖値が上がりにくいだけではなく、消化に時間がかかり血糖値の高い状態が長く続きます。
1口30回噛むようにすると消化や栄養の吸収がよくなるだけでなく、少量で満腹感を得やすくなりダイエット効果も期待できるでしょう。

ポイント2 規則正しくバランスよく食べる

糖尿病にならない食事はありません。また、糖尿病だからといって食べてはいけない物はありません。
栄養素の偏りがないように、炭水化物・たんぱく質・脂質・ミネラル・ビタミンをバランスよく食べましょう。

ポイント3 腹8分目にする

1日に必要なカロリー以上に食べないように、腹8分目を心がけましょう。
さらに、野菜→汁物→主菜(おかず)→ごはんの順で食べると、食べ過ぎを防ぐ効果が期待できます。
満腹感を得にくい方は野菜や海藻・キノコを多めにとるようにすると、血糖値の急上昇を抑える効果も期待できます。

ポイント4 寝る前には食べない

寝る前に食べてしまうと、体の中に入った糖分を消費する機会がないため血糖値が高い状態が続きます。
余った糖分は、中性脂肪に変化し内臓脂肪となって体の中に蓄えられてしまいます。
その結果、肥満に繋がるため寝る前には食べないようにしましょう。

ポイント5 おやつやお酒は控えめに

少量のおやつなら問題ありませんがおやつを食べ過ぎてお腹が膨れてしまうと、きちんと食事をとらなかったり食事の間隔があいたりしてしまいます。
お酒を飲むとおつまみでカロリーが過多になったり、飲みすぎて肝臓に負担がかかったりします。
糖尿病予防のためにも、生活習慣病予防のためにもおやつやお酒には注意しましょう。

「生活習慣」5つのポイント

次に糖尿病を予防するための生活習慣を紹介します。

ポイント1 運動する

体を動かすと血液中の糖分がエネルギーとして使われます。
その結果、血糖値やHbA1cが下がりやすくなり、糖尿病になりにくくなります。
血液中の過剰な糖分が減ると中性脂肪や内臓脂肪ができにくくなり、ダイエット効果も期待できます。

ポイント2 歩く習慣をつける

激しい運動は長続きしません。足や腰を痛めたり、過度な運動はやる気を削ぐ原因にもなります。
まずはいつもより少し遠回りして歩く、遠いコンビニに行くなど歩く習慣を付けましょう。
体力・筋力がついてきたらウオーキングやランニング、筋トレなどの運動を始めると継続しやすくなります。

ポイント3 ストレスをためない

ストレスは血糖値を上げやすくしてしまいます。
さらに、食事量や飲酒量が増えたり、不規則な生活や睡眠不足にもつながります。
適度にストレスを発散しココロとカラダのバランスを整えることも、糖尿病予防には欠かせません。

ポイント4 健康診断を受ける

ごくまれに、体質や遺伝などの原因で糖尿病を発症しやすい人もいます。
誤った食生活や生活習慣を続けていて知らない間に糖尿病予備軍や糖尿病になっている人もいるかもしれません。
自分の状態を適切に把握するためには、定期的に健康診断を受ける必要があります。
もしも、糖尿病予備軍や糖尿病と診断された場合には、医師の診察と適切な治療を受けることで糖尿病発症や重症化を防げるでしょう。

ポイント5 糖尿病の正しい知識を得る

糖尿病はとても身近な病気です。
食事や生活習慣に注意し、痩せた若い人でも発症する可能性があります。
しかし、正しく糖尿病を理解し治療すれば重症化や合併症を防ぐことができますし、決して怖い病気ではありません。
関連記事を参考に、糖尿病について正しく理解し糖尿病を予防するライフスタイルを目指してください。

糖尿病を予防するライフスタイルを目指そう

糖尿病を予防するためには、健康的なライフスタイルを取り入れる必要があります。
先ほど紹介した世界中の人を対象にした研究では、85%の人に生活改善の余地があると報告されています。
糖尿病の予防や糖尿病予備軍の人が糖尿病を発症しない、さらに糖尿病の人が重症化しないためにも本記事を参考にライフスタイルを改善することをおすすめします。

本コラムでは、糖尿病の基礎知識や治療・日常生活・医療費など、糖尿病と診断された患者さんやご家族の役立つ情報を発信しています。ぜひ、そのほかの記事もご参照ください。

参考文献

1) Zhang, Y., Pan, XF., Chen, J. et al. Combined lifestyle factors and risk of incident type 2 diabetes and prognosis among individuals with type 2 diabetes: a systematic review and meta-analysis of prospective cohort studies. Diabetologia 63, 21–33 (2020). https://doi.org/10.1007/s00125-019-04985-9

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