生涯で1000万円以上?糖尿病とお金の関係を徹底解説

慢性疾患である糖尿病。糖尿病の治療にお金かかるだけでなく、全身にさまざまな合併症を発症するリスクも高く、生涯の医療費が高額になる可能性があります。
糖尿病になるといくらくらいお金がかかるの?受けられる社会保障は?防衛策はあるの?......糖尿病患者さんが気になる、糖尿病とお金の関係をわかりやすく解説します。

糖尿病は「お金がかかる病気」

日本IDDMネットワークの試算によると、糖尿病患者が60年間で支払う医療費は約1000万とも言われています。
糖尿病の医療費がかかる理由は、生涯にわたって治療を続ける必要があるからです。
まずは糖尿病の医療費の実態をみていきましょう。

医療費の実態

糖尿病の患者さんの医療費はどれくらいかかるのでしょうか?
令和元年度 生活習慣関連疾患医療費に関する調査では、糖尿病の外来での医療費の平均は1受診あたり6,249円(3割負担)です。
1~3か月に1回程度受診すると、年間で2万〜7万5千円の医療費がかかります。1)

しかもこの金額はあくまでも平均。採血・診察・生活指導だけであれば、3割の自己負担の方の医療費は3000円程度ですが、使用する薬の種類や量が増えると支払う医療費も高額になります。
https://www.mhlw.go.jp/shingi/2005/10/dl/s1027-5c16.pdf

糖尿病になったらかかるお金について、もっと具体的に知りたい方は糖尿病ネットワークの以下のページを参照ください。
とてもわかりやすく解説しています。
糖尿病になったらいくらかかる?
https://dm-net.co.jp/seido/02/

合併症が増えると医療費は右肩上がり!

「政府管掌健康保険における医療費等に関する調査研究」によると、合併症がない患者と比較すると合併症の数が増えるに従い、医療費がうなぎ上りになります。
合併症が4つあると医療費は約2.5倍。7万5千円の2.5倍と考えると、年間で約19万円。
かなりの負担になってしまいますよね。
https://www.ihep.jp/wp-content/uploads/current/report/study/69/h16-12.pdf

合併症で働けなくなることも.....

糖尿病があるだけで仕事ができなくなることはほとんどありません。
しかし、糖尿病に関連した合併症を発症し何らかの後遺症が残った場合には、働けなくなってしまう可能性が高くなります。
以下はその一例です。

このような場合には、いままでと同様の働き方や収入を得ることが難しくなります。
その結果、金銭的な負担がさらに重くなるのです。

医療費を抑えるには「合併症予防が大切」

「糖尿病の治療をきちんとしましょう」
「食事や運動に気を付けましょう」

こういった言葉を聞いた患者さんもいるかもしれません。
この言葉の裏には「合併症の発症を減らしたい」という医療者の願いが隠れています。
合併症の発症は、患者さんの生活の質を下げるだけでなく経済的な影響を与えます。
将来の合併症発症リスクを減らし生涯の医療費負担を軽減するために、食事療法・運動療法・薬物療法を頑張りましょう。

糖尿病の医療費を軽減する豆知識

糖尿病に関連した医療費は健康保険を使用すると、窓口負担額は1~3割になります。
それでも生涯にわたって支払うとなると、負担は重くなります。
実はある一定の条件を満たす糖尿病患者さんは、国や地方自治体の公的な医療費助成制度の受給が可能です。
代表的な助成制度を以下の表にまとめました。
ぜひ、参考にしてください。

制度名 対象 特徴 申請先
小児慢性特定疾患治療研究事業 1型糖尿病を持つ18歳未満のこども 治療が長期間にわたり、医療費負担が高額になる場合に自己負担分が助成される 市町村福祉課
特別児童扶養手当 1型糖尿病の児童を持つ保護者 20歳未満の1型糖尿病のこどもの養育者に対し、年3回扶養手当を支給する。病状や所得によって支給額が異なる 市町村福祉課
障害基礎年金 糖尿病合併症のある人 国民年金加入者が重度の障害を負った場合に受給できる 市町村年金担当
心身障害者等福祉手当 失明・人工透析・下肢切断・一部の心臓病など 市区町村・都道府県によって、制度の有無や助成額が異なる 市区町村福祉課
自治体による独自の助成制度(東京都難病医療費等助成制度) 市区町村・都道府県に住む特定の病気を持つ人(人工透析など) 疾患の障害程度によって等級が決まり、市区町村から毎月手当が支給される 市区町村福祉課
高額療養費制度 健康保険加入者の1か月の医療費が基準額を超えた場合 年齢や収入で助成額が異なる 市区町村福祉課・医療機関

未来に備える医療保険の活用

先述の制度の多くは1型糖尿病患者さんや、何らかの合併症を発症した糖尿病患者さんに適応されます。
普段の治療では医療費の助成を受けることができません。
さらに申請してから受給できるまではタイムラグがあり、病状によっては助成を受けられない可能性もあります。

合併症の治療や入院、働けなくなるリスクにあらかじめ備えるのにおすすめしたいのは、医療保険の活用です。
ある調査では約7割の患者さんが、糖尿病保険に加入していました。
糖尿病に関連する病気はもちろんのこと、糖尿病以外の病気にも備えられるのが医療保険の魅力なのです。

糖尿病患者さんにおすすめ「糖尿病保険」

しかし、医療保険によっては糖尿病患者さんの加入が断られるケースがあります。
また、治療の内容によっては補償対象外になってしまうことも。
そのような場合におすすめしたいのが、糖尿病患者さんに特化した「糖尿病保険」です。
特約によっては糖尿病の通院にも補償が受けられ、糖尿病合併症や歯周病なども補償対象となります。
糖尿病予備軍の方が将来に備えて加入することも可能です。
最近では、さまざまな保険会社が糖尿病患者さん向けの保険を発売しています。
加入できる保険は数年前より格段に増え、お手頃な保険料の医療保険も増えました。

いままで医療保険の加入を迷っていた方、過去に医療保険加入を断られた方も、医療保険加入を再検討してみてはいかがでしょうか?

糖尿病の医療費を減らすには「合併症予防」と「備え」が大切

糖尿病患者さんの生涯の医療費は、合併症の有無によって大きく異なります。
食事療法や運動療法・薬物療法を適切におこなうことで、内服薬やインスリンの使用量を減らし自己負担を軽減できます。
適切な治療により血糖コントロールが良好になると、合併症発症リスクを低減し将来の医療費を抑制できる可能性が高まります。
また予期せぬ病気にも医療保険対応できるよう、医療保険の加入をおすすめします。

本コラムでは、糖尿病の基礎知識や治療・日常生活・医療費など、糖尿病と診断された患者さんやご家族の役立つ情報を発信しています。ぜひ、そのほかの記事もご参照ください。

参考文献

1)医療制度構造改革試案
https://www.mhlw.go.jp/shingi/2005/10/dl/s1027-5c16.pdf

2)平成16年度社会保険庁による委託事業 政府管掌健康保険における医療費等に関する調査研究
https://www.ihep.jp/wp-content/uploads/current/report/study/69/h16-12.pdf

3)糖尿病に関わる医療費と保険 糖尿病ネットワーク
https://dm-net.co.jp/enq/2020/029841.php

糖尿病保険の詳細を確認する

こちらの記事もおすすめです

当サイトでは、弊社が取扱う損害保険会社および生命保険会社の各種商品の概要について解説し、ご紹介しております。

この保険商品一覧に記載されている内容は、条件等により適用されない場合があります。

保障内容・保険料等の保険商品の詳細につきましては、必ず各保険会社が提供する契約概要やパンフレット等、をお取り寄せいただき、「注意喚起情報」「ご契約のしおり・約款」「特別勘定のしおり」等、または保険会社のWEBサイトをインターネットで必ずご確認ください。

  • 取扱・募集代理店 株式会社エレメント
  • 〒150-0043 東京都渋谷区道玄坂1-16-10 渋谷DTビル 7F
  • 電話番号 03-5428-6601