糖尿病記事3分でわかる|糖尿病になりにくい・うまく付き合う食生活

「自己管理ができていない人の病気」
「太ってる人がなるんでしょ?」
ネガティブなイメージが先行しやすい糖尿病。多くの人のイメージどおり、約90%は食生活や生活習慣が原因で発症する2型糖尿病です。
しかし、遺伝性疾患や膵臓などの病気など、それ以外の理由で糖尿病になる方も約10%おり、全ての患者にあてはまるイメージではありません。
そして、多くの2型糖尿病患者は生活習慣、特に食生活の改善で病状をコントロールが可能です。
今回は糖尿病患者の大多数を占める2型糖尿病を予防したり、上手にコントロールしたりするために必要な食生活について解説します。

糖尿病を治す食事は「ない」

糖尿病を治す食事はありません。
さらに言えば、糖尿病を治す薬もありません。
糖尿病の薬は、インスリン分泌を促したり補充したり、余分な糖を体外に排出して、血糖値をコントロールする目的で使用しています。
サプリメントなどの健康食品にも糖尿病を治す効果はありません。
糖尿病を完治させる治療方法には膵臓移植がありますが、誰でも気軽に受けられる治療法ではありません。

糖尿病は「上手く付き合う病気」

慢性疾患である糖尿病は、生涯に渡って上手く付き合っていく病気です。
そのためには、血糖値やHbA1cを目標範囲内にコントロールできる生活習慣を獲得する必要があります。
糖尿病予備軍と診断された方は、糖尿病になりにくい食事を心がけ発症を予防する必要があります。
糖尿病は『食事療法』『運動療法』『薬物療法』が治療の3本柱です。
「糖尿病の治療は食事療法と運動療法から」というくらい、糖尿病患者にとって食事はとても重要なのです。

糖尿病になりにくい・上手く付き合う食事の注意点 

では、糖尿病中でも一番患者数の多い「2型糖尿病」の食事療法の注意点をご紹介します。
2型糖尿病の食事療法の意義を「全身の代謝の状態を良好に維持することで、合併症の進展を抑え、予防すること」にあると厚生労働省の日本人の食事摂取基準2020年版では記しています。
ここからは、日本人の食事摂取基準をもとに、糖尿病糖尿病と上手く付き合う食事療法の5つのポイントを解説します。
ご自身の食習慣を振り返り、気になるポイントから改善しましょう。

ポイント1  バランスの取れた食事を心がける

バランスの取れた食事のために、以下の3つのポイントを守りましょう。

食事バランスガイド

引用:食事バランスガイド(基本編)e-ヘルスネット
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/food/e-03-007.html

食事バランスガイドは「何を」「どれだけ」食べたらよいかをわかりやすく表にしたものです。
1日に食べるとよい目安の多い順から「主食」「副菜」「主菜」「牛乳・乳製品」「果物」と表示されています。
コマの形であらわしているのは栄養バランスが悪くなると、コマが倒れてしまうイメージに併せています。
食事バランスガイドについて、もっとくわしく知りたい方は厚生労働省のホームページを参照ください。

「食事バランスガイド」について 厚生労働省 
https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/eiyou-syokuji.html

ポイント2 「食事を抜く」「まとめて食べる」はNG

食事を抜いたり、まとめて食べたりすると、空腹感が強くなり摂取量が多くなる傾向があります。
さらに血糖値が急上昇し高血糖に陥りやすくなるのです。
また、朝食を抜く習慣や不規則な食生活も2型糖尿病発症のリスク因子ですから、規則正しい食生活がとても重要です。

ポイント3 よく噛む

肥満の人は早食いの傾向が強いと言われています。
早食いは同じ量でも満腹感を得にくいため、総摂取量が増えてしまい肥満に繋がるのです。
また「噛む力」が衰えると血糖コントロールが乱れることも明らかになっています。
よく噛むといつもより少ない食事量で満腹感が得られます。
さらに野菜の摂取量を増やし、揚げ物や肉類を減らすと噛む回数も必然的に増加しますから、より満腹感を得やすくなるでしょう。

ポイント4 食物繊維を多くとる

糖尿病と食物繊維の関係を調べた研究では、以下が明らかになりました。

さらに、食物繊維と空腹時血糖値の関係については、平均で1日18.3 g食物繊維を摂取すると、空腹時血糖値は平均15.3 mg/dL 低下していました。

では、どのような食品の食物繊維が糖尿病により高い効果が期待できるのでしょうか。
ここからは、いくつかの研究をふまえて食物繊維の取り方のポイントを解説します。

「食物繊維」というと野菜をイメージする人も多いでしょうが、実際はどのような食物繊維が有効かは明らかになっていません。
そのためバランスの取れた食生活を心がける中で、食物繊維をとっていくことがよさそうです。

ポイント5 管理栄養士から食事指導を受ける

一人ひとりの生活習慣や食事の好みに合わせた食事指導を受けることを、糖尿病学会は強く推奨しています。
最近の研究では、管理栄養士による指導は医師やほかのスタッフによる指導と比べて、体重減少・HbA1cの改善・血中LDLコレステロールの低下で高い効果を発揮することが明らかになりました。
糖尿病患者だけでなく、糖尿病予備軍の方も早期かつ継続的に食事指導を受けると、糖尿病発症リスクを下げる効果が期待できます。
ぜひ管理栄養士による食事指導を受け、ご自身の食事を見直してみてください。

食生活の改善は今から始めても遅くない!

糖尿病を治す魔法のような食生活はありません。
けれども、糖尿病予備軍の発症リスクを下げ、糖尿病の血糖コントロールを改善し合併症を防ぐ効果が期待できる食事はあります。
食事療法は今すぐはじめられるだけでなく、効果を実感しやすい治療法です。
毎日の習慣を変えるのは簡単なことではありません。
医師や管理栄養士のサポートを受けながら、少しずつ糖尿病になりにくい・うまく付き合う食習慣を自分のものにしていきたいですね。

本コラムでは、糖尿病の基礎知識や治療・日常生活・医療費など、糖尿病と診断された患者さんやご家族の役立つ情報を発信しています。ぜひ、そのほかの記事もご参照ください。

参考文献

1) 3‐3 糖尿病 P461 日本人の食事摂取基準(2020 年版) 「日本人の食事摂取基準」策定検討会報告書  厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/000586553.pdf

2)3.食事療法 糖尿病診療ガイドライン2019
http://www.fa.kyorin.co.jp/jds/uploads/gl/GL2019-03.pdf

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