糖尿病と診断されたら生命保険(医療保険)は入れる?基準数値も解説

この記事を見ているあなたは、糖尿病と診断されたら生命保険に入れないのではと不安に感じていませんか。

この記事の内容をまとめると

  • 血糖値やHbA1cの数値次第では、通常の生命保険に入れることがある(基準となる数値は保険会社により異なる)
  • 血糖値やHbA1cの基準数値を超えていても、条件付きで通常の生命保険に入れることがある
  • 糖尿病でも入れる保険も存在する(引受基準緩和型保険・無選択型保険)
  • 糖尿病は65歳以上になると入院が長引く傾向にあるため、一時金型の医療保険ではカバーしきれない可能性がある
  • 医療保険の「一時金型」「日額型」はそれぞれのメリット・デメリットをよく理解したうえで選ぶことが大切

この記事を見ることで、糖尿病でも入れる保険がわかります。備えがあれば安心して療養に専念できるでしょう。

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執筆者関野みき

SEOを意識した健康・美容・フィットネス・エンタメ・スポーツなどの記事を数多く執筆した経験あり。保険会社の帳票作成システムの開発経験があり、出産経験があり現在も育児中。

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糖尿病と診断されたら生命保険には加入できないの?

糖尿病などの持病がある人は、生命保険に入りづらくなります。病状によっては入れることもありますが、血糖値やHbA1cの数値が基準を上回って加入を断られることもあるでしょう。

最近では糖尿病でも入れる保険商品が増えているため、保険加入自体を諦める必要はありませんが、糖尿病でも入れる保険にはデメリットもあります。後ほど詳しく説明するので、契約の前にチェックしてください。ここでは、まず以下について解説します。

  • なぜ糖尿病だと生命保険に入りづらくなるのか
  • 告知義務違反をするとどのようなことが起きるのか
  • 正確に告知するためにはどのようなことに気を付ければ良いか

告知漏れに気づいたときの対処法もあわせて紹介するので、参考にしてください。

なぜ糖尿病だと生命保険に加入しづらいの?

生命保険は加入者が少しずつ保険料を出し合って準備財産を作り、万が一のときに経済的に助け合う「相互扶助」の仕組みです。保険会社は過去の統計データを基に年齢・性別ごとのリスクに応じた保険料を設定して、加入者間の公平性を維持しています。

しかし、持病や既往歴のある人は同じ年齢・性別の人と比較して保険金・給付金を受け取る可能性が高く、同じ条件で契約できてしまうと公平性を保てません。そのため、告知や診査で健康状態などを把握して条件付けをおこなったり、それが難しいときは加入を断ったりすることで、不公平にならないように調整しています。

生命保険に加入したいがために既往歴や健康状態を偽る人もいますが、これは「告知義務違反」といって絶対やってはいけない行為です。問題なく契約できたとしても、保険会社は保険金・給付金の請求があると審査をおこなうため、ばれる可能性が高いのです。特に最初の2年間は細かく調査がおこなわれます。

告知義務違反をするとどうなる?

多くの保険会社は、告知義務違反について「責任開始日から2年以内は契約を解除できる」と定めています。(年数は保険会社により異なる)支払事由が責任開始日から2年以内に発生していれば、発覚が2年経過後でも契約が解除される可能性があるため注意しましょう。

契約解除になると保険金・給付金は支払われず、解約返戻金があれば払い戻されることになります。ただし、支払事由の原因が告知しなかった事実と因果関係のないものだった場合は、保険金・給付金が支払われます。

また、告知義務違反があっても以下に当てはまる場合、契約は解除されません。

  • 保険会社が事実を知っていた、または過失により知らなかった場合
  • 生命保険募集人が告知を妨げた、または虚偽の告知を勧めた場合
  • 保険会社が契約解除の原因を知ったのち1ヶ月が経過した場合
  • 保険契約の締結から5年が経過した場合(保険会社により年数は異なるが最長5年)

告知義務違反の内容が悪質だと判断された場合には、契約からの年数に関係なく「契約取り消し」となります。契約取り消しになると保険金・給付金が支払われないばかりか、解約返戻金も受け取れません。

正しい告知のコツ

告知をする際は、事実をありのままに記入しましょう。質問にないことまで答える必要はありませんが、聞かれていることについては漏れなく記入しなければなりません。

記憶に頼ると間違った情報を記入してしまうこともあるため、診療報酬明細書などを確認しながら出来る限り正確に伝えることが大切です。

過去の傷病に関する告知項目が「はい」になった場合は、告知事項詳細欄にも記入します。詳細欄の項目は以下のようなものが一般的です。

  • 傷病名・診断名
  • 部位
  • 症状・原因
  • 診察・検査・治療・投薬の期間
  • 入院の時期・期間
  • 手術の時期・手術名・手術内容
  • 医療機関名

過去の傷病に関する情報に加え現在の状況も詳細に記入しなければならないため、記録をもとに正確に記入してください。記入例も用意されているはずですが、それでも記入の仕方に迷ったら保険会社や生命保険募集人に相談しましょう。

なお、告知の受領権があるのは保険会社および保険会社が指定した医師のみです。生命保険募集人に口頭で伝えても告知したとは認められないので注意してください。もし告知漏れに気づいたときは、保険会社に連絡して追加告知をおこないます。

追加告知の結果、条件付きの契約になったり契約が解除されたりする可能性もありますが、いざ必要になったときに保険金・給付金がおりなかったという事態は防ぐことができます。

糖尿病と診断されても生命保険に加入できるHbA1cの数値とは

糖尿病の人が生命保険に加入する際は、HbA1cの数値が非常に重要です。ただ、加入できる数値は5%台、6%台など保険会社により異なるうえ、HbA1c以外の検査項目の数値が評価されることもあり、何%なら加入できると断言はできません。

年齢やその他の検査項目の数値によっては7%台で加入できることもあります。ひとつの保険会社に断られたからといって他の保険会社もだめとは限らないので、複数の保険会社に確認して入れる保険がないか探してみると良いでしょう。

糖尿病でも入れる保険とは?保険金3000万円も可能なの?

告知項目に該当しても、血糖値やHbA1cの数値によっては通常の生命保険に加入できることがあります。糖尿病だからと諦めるのではなく、まずは加入できる保険商品がないか、複数の保険会社に確認してみましょう。

それでも、やはり通常の生命保険の加入を断られてしまうという人もいると思います。そこで本章では、健康状態や既往歴により生命保険に加入できない人が、生命保険に入りたいと考えた場合にどのような選択肢があるか解説します。

条件付きでの加入

糖尿病の人が生命保険に加入しようとしたとき、条件付きで通常の生命保険に加入できることがあります。保険契約で付帯される条件は大きく分けて3つあります。

特別疾病(部位)不担保法

特別疾病不担保法は、保険会社が指定した疾病について一定期間保障対象外とする条件で契約する方法です。

たとえば「肺がん」が不担保になる場合、肺がんを原因として保険金・給付金が支払われることはありません。ただし、肺結核など肺に関する違う疾病は保障されます。

特定部位不担保法の場合は、指定された部位が保障対象外になります。例えば「肺」と指定されたら、肺がんも肺結核もすべて保障対象外です。

保険金・給付金削減支払方法

保険金・給付金削減支払方法は、保険会社が定める期間中は受け取れる保険金・給付金が減額されるという条件です。

通常は一定期間が経過するごとに削減される割合が低くなっていき、削減期間が過ぎると満額がおりるようになります。削減期間は最長で5年です。なお、不慮の事故による死亡・高度障害については削減期間中でも満額が支払われます。

特別保険料領収法

特別保険料領収法は、月々の保険料が上乗せされる条件で契約する方法です。

保険会社が定めた一定期間、または払込期間の全期間にわたり保険料が割り増しされます。特別保険料に対する解約返戻金の有無は保険商品により異なるため、加入前に必ず確認しましょう。

引受基準緩和型保険(限定告知型保険)

引受基準緩和型保険(限定告知型保険)は、告知項目が少なく糖尿病などの持病がある人でも入りやすい生命保険です。告知項目は保険商品により異なりますが、以下のような内容が一般的です。

  • 最近3ヶ月以内に医師から入院・手術をすすめられていないか
  • 過去2年以内の入院・手術の有無
  • 過去5年以内にがん・肝硬変・慢性肝炎で治療を受けていないか

引受基準緩和型保険は通常の生命保険と比べると保険料が割高なので、通常の生命保険に入れなかったときに初めて選択する保険と考えておきましょう。

無選択型保険

無選択型保険は告知が必要ない保険です。持病や既往歴があっても加入できるので、加入できる保険商品がなくて困っている人の最後の受け皿になります。

ただ、保険料は引受基準緩和型保険よりも更に割高で、保障も控え目です。引受基準緩和型の加入も断られてしまい、それでも生命保険に加入したいときの最終手段と考えましょう。

糖尿病でも入れる保険は保障が控えめな傾向

糖尿病でも入れる保険は、保障が控え目な傾向にあります。

これは保険料による収入と保険金(給付金)による支出がつり合わなければ、保険会社の経営が成り立たないためです。

糖尿病の人は支払事由が起きる可能性が高いため、大きな保障をつけるなら保険料をかなり高額にしなければつり合いがとれません。そのため、保障額は通常の生命保険より控え目になっています。

とはいえ、保険金3000万円がつけられる死亡保険も存在します。また、複数の生命保険を組み合わせれば3000万円の保障をつけることも可能です。

複数の保険商品を契約しても受け取れる保険金額には上限が決められているので、必ず全額が受け取れるわけではない点に注意しましょう。上限額は職業、年齢、年収などにより異なります。

医療保険の「一時金型」と「日額型」糖尿病の人にはどちらが人気?

医療保険には「一時金型」と「日額型」があります。以前は主契約が日額型で、特約に一時金をつけるのが基本でした。しかし、最近では主契約が一時金の商品も登場しています。

糖尿病の人が生命保険に加入する場合、どちらのタイプが良いのでしょうか。ここでは、「一時金型」「日額型」それぞれの特徴とメリット・デメリットを紹介します。

一時金型医療保険の特徴とメリット・デメリット

一時金型の医療保険は、入院日数に関係なく決まった金額が一括で支払われます。主契約が一時金型のものは保険期間が決まっている定期タイプが主流です。

一時金型のメリットは、日帰り入院でもまとまった金額を受け取れるところです。入院費よりも大きい金額を受け取れることが多く、自己負担額を超えた分は交通費などに充てることもできます。

デメリットとしては、180日に1回・通算50回などの決まりがあるため、繰り返す入院に弱いことが挙げられます。また、入院日数に応じて給付金額が増えないので長期入院にじゅうぶんな備えを用意できません。日額型に比べると保険料も高めです。

糖尿病の人の入院平均日数は30.6日と長期間です。一時金型ではカバーしきれない可能性が高いため、糖尿病の人は選びにくいタイプといえます。ただ、30〜40代で糖尿病になり早期から治療を始めた場合は入院期間が短いケースも多いので、一時金型を検討しても良いでしょう。

日額型医療保険の特徴とメリット・デメリット

日額型の入院保障は、入院給付日額×入院日数が支払われます。1入院あたりの限度日数を60日型・120日型など選べるものもあるので、年齢や病状によって判断すると良いでしょう。

日額型の保険の手術給付金額は、入院給付金額×10のように入院給付金額を基に決まることが多いのが特徴です。

日額型のメリットは、入院日数に応じて給付金額が増えるため長期入院に強い点です。また、一時金型に比べて保険料が手軽なので、保険料負担が気になる人も加入しやすい保険といえます。

デメリットとしては、保険料を気にしすぎて入院給付日額の設定金額を低くしてしまうと、入院・手術のときにカバーしきれない可能性がある点です。また、入院日数が短いと保険請求のための診断書代と相殺されて、医療費負担がカバーできない可能性があります。

このようにデメリットもありますが、糖尿病の人は特に65歳以上になると急激に入院日数が長引く傾向にあるため、日額型が向いているといえるでしょう。

まとめ:糖尿病と診断されても入れる生命保険はある

糖尿病と診断されても、病状によっては通常の医療保険に加入できます。もし加入出来なくても、条件付きでの加入や引受基準緩和型保険といった選択肢もあるので、諦めずに確認してみましょう。

ただ、条件付きでの契約も引受基準緩和型保険もそれぞれデメリットはあるので、契約内容をよく確認して本当に加入が必要かしっかり検討することが大切です。

今回は告知のポイントや、医療保険の「一時金型」「日額型」のメリット・デメリットについても解説しました。自分に合った保障が受けられるよう、保険の知識を身につけて傷病や万が一にしっかり備えましょう。

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