生命保険加入後に糖尿病になったら?加入直後は告知義務違反になる?

この記事を見ているあなたは、生命保険加入後に糖尿病になったら保険金・給付金がおりるか不安を感じているのではないでしょうか。

この記事の内容をまとめると

  • 生命保険の加入後に糖尿病になった場合、それが責任開始日以降であれば保障される(ただし死亡保険金は扱いが異なる)
  • 告知義務違反は保険請求したときの審査などでばれる
  • 糖尿病は入院日数が長引きやすく、合併症による高度障害リスクもあるため、生命保険に入っていた方が安心

この記事を見ることで、糖尿病を原因とした保険事故に対して生命保険の保険金・給付金が支払われる基準がわかります。備えがあれば安心して療養に専念できるでしょう。

この記事の執筆者

関野みき画像

執筆者関野みき

SEOを意識した健康・美容・フィットネス・エンタメ・スポーツなどの記事を数多く執筆した経験あり。保険会社の帳票作成システムの開発経験があり、出産経験があり現在も育児中。

執筆者の記事一覧

生命保険の加入後、糖尿病になったら保険金・給付金はおりる?

基本的に、死亡保険金以外の保険金・給付金※の支払要件は「支払事由の原因が、責任開始日以後に発生していること」となっています。「支払事由の原因」とは、高度障害保険金や入院給付金などを支払う原因となる病気やケガのことです。

つまり、糖尿病を発病したのが責任開始日以降であれば、糖尿病を原因とした高度障害や入院などに対し保険金や給付金が支払われます。しかし、責任開始日より前に糖尿病を発病した場合は、たとえ支払事由が責任開始日以降に生じていても死亡保険金を除き保険金・給付金は支払われません。

これは告知義務違反とは別のルールです。告知時点では判明していなかった病気が、責任開始日までに判明しても告知義務違反にはなりません。しかし、保障されるかは別の話なのです。

※高度障害保険金や入院・手術給付金など

「いざ請求したら保険金(給付金)がおりなかった」という事態を防ぐためにも、責任開始日前に新たな傷病が発生した場合は、その旨を保険会社に連絡しておくと良いでしょう。なお、責任開始日前に発生した傷病が原因でも、所定の期間経過後に開始した入院・手術については、責任開始日以降の原因とみなされ給付金が支払われることがあります。

責任開始日直後に糖尿病が「判明」した場合の取り扱い

判断に迷うのは「糖尿病と判明したのは責任開始日以降でも、発病は責任開始日より前かもしれない」という場合ではないでしょうか。病気については責任開始日前に発生したものかはっきりしないことも多いため、以下のすべてに当てはまる場合は、基本的に保障されると考えて良いでしょう。

  • 自覚症状がない
  • 受療歴がない
  • 人間ドック(健康診断)での検査異常がない
  • 契約者・被保険者ともに病気を認識していない

ただし、明らかに責任開始日前の発病と判断できる場合は保障対象外となります。

受け取れる保険金・給付金にはどのようなものがある?

糖尿病により受け取れる可能性がある保険金・給付金の種類としては、次のようなものがあります。

【医療保険】

  • 入院給付金
  • 手術給付金
  • 通院特約の給付金
  • 生活習慣病特約の給付金

【死亡保険】

  • 死亡保険金
  • 高度障害保険金

【収入保障保険】

  • 遺族年金
  • 高度障害年金

高度障害保険金・高度障害年金は、両目の視力を永久に失ったり、中枢神経の障害で常に介護を要する状態になったりした場合に受け取れる保険金です。高度障害が保障される保険商品であれば、死亡保険金・遺族年金に代わって支払われます。

高度障害状態の要件はその他にもさまざまなものがあるので、必ず約款を確認しておきましょう。

糖尿病を隠して生命保険に加入!?告知義務違反は審査でばれるの?

結論からいうと、告知義務違反はばれるものです。保険加入時の審査は、告知(診査)・職業・モラル面(収入と保険金額のバランスなど不自然な点はないか)が中心となります。

告知項目に虚偽がないか詳細に調べるようなことはしないため、糖尿病などの持病や既往歴を隠したまま生命保険に加入できることもあるでしょう。ただし、加入できたからといって、そのままばれずに保険金や給付金がおりるというわけではありません。

告知義務違反がばれるタイミングとは

告知義務違反がばれるタイミングは、大きく分けてふたつあります。ひとつ目は、同じ保険会社で他の保険商品に加入するときです。告知内容が以前のものと矛盾している場合は、真偽を確かめるためにさまざまな調査がおこなわれます。

ふたつ目は、保険金・給付金の請求があったときです。告知内容の真偽を詳しく調査して、保険金・給付金の支払要件を満たしているか確かめます。特に加入から2年以内は持病を隠していた可能性を考慮して、より細かな審査がおこなわれます。

具体的な調査の方法として、最初におこなわれるのは医療機関への問い合わせです。医療機関は5年分のカルテ保存が義務付けられているため、保険会社は被保険者の既往歴、通院履歴、手術内容、入院日数などを細かく調べられます。健康診断の結果を調査されることもあるでしょう。

保険会社は、このように既往歴や現在の健康状態をかなり細かく把握したうえで保険金・給付金の支払いをおこないます。告知義務違反は必ずばれるものと思って、正確な告知をおこなうよう心がけましょう。なお、口頭で伝えただけでは告知したことにはならないため、注意してください。

告知義務違反で起こること【1】故意でなかった場合

告知義務違反があった場合、それが故意か否かにかかわらず責任開始日から2年以内(保険会社により年数は異なる)であれば、保険会社は生命保険の契約を解除できます。

たとえば、慢性C型肝炎による通院歴を告知せず、2年以内に慢性C型肝炎を原因とした肝がんで死亡した場合、死亡保険金は支払われません。(全く因果関係のない原因で死亡した場合は支払われることがあります)

なお、契約解除できる期間を過ぎていても、支払事由が期間内におこったものであれば、保険金・給付金の支払い対象外となります。ただし、保険会社の職員が告知を妨げたり、事実を隠して告知することを勧めたりした場合は、保険会社側からの契約解除はできません。

告知義務違反で起こること【2】悪質な場合

詐欺に該当する場合など、告知義務違反の内容が特に重大だった場合は、責任開始日からの経過年数にかかわらず契約が解除されます。

悪質だと判断された場合は、告知しなかった傷病と因果関係のないものに対しても保険金・給付金が支払われない可能性があるため注意が必要です。場合によっては、今まで支払った保険金が返ってこない可能性もあります。

安心のために加入しているはずの生命保険が、何の備えにもならないのでは意味がありません。意図的に虚偽の告知をするのは絶対にやめましょう。

告知義務違反に気づいたらどうすれば良い?

いざという時に保険金・給付金がおりないという事態を防ぐためにも、告知漏れに気づいた場合はすぐに保険会社に連絡しましょう。追加告知の書類が送られてくるので、正確に記入して保険会社に送付します。

内容次第では、保険契約を解除されたり条件付きでの契約となったりしますが、審査を避けるために追加告知をせずにいると、悪質な行為とみなされることがあります。先述したように告知義務違反はばれる可能性が高いので、告知漏れに気づいたらすぐに追加告知をおこないましょう。

糖尿病だけど生命保険に入ってない!どんなリスクがある?

糖尿病になると、血糖コントロールや合併症の治療のために入院となることもあります。厚生労働省が発表した令和2年のデータによると、糖尿病を原因とした入院の平均日数は30.6日間です。

年齢別の平均入院日数は、下表を参考にしてください。

0~14歳 15~34歳 35~64歳 65歳以上 70歳以上 75歳以上
16.7日 11.5日 15.6日 40.7日 44.8日 51.1日

※参考:厚生労働省「令和2年(2020)患者調査の概況」

表を見てみると、65歳以上では入院日数が長引く傾向にあることがわかります。医療費が高額になった場合は高額療養費制度(自己負担限度額を超えた分が還付される制度)も利用できますが、それでも負担額は決して小さくありません。

自己負担限度額は所得により異なり、たとえば年収が370万~770万円ぐらいの人であれば約8万~9万円です。また、高額療養費制度は1ヶ月(1日~月末日)の自己負担限度額を定める制度なので、入院期間が月をまたぐかどうかで負担額が変わるという弱点があります。

たとえば2週間入院して、合計15万円の医療費(健康保険適用分)がかかった場合をみてみましょう。

入院期間 医療費総額(3割) 実際の自己負担額
6月1日~6月14日 15万円 8万2,430円※
6月24日~7月7日 8万円(6月分)+7万円(7月分) 15万円

全く同じ医療費総額・入院期間であっても、月をまたぐことで自己負担額が大きくなってしまいます。高額療養費制度は健康保険適用される医療費のみ対象なので、差額ベッド代、食事代、パジャマ代などは別途かかることも忘れてはいけません。

糖尿病の人は、入院のリスク以外にも合併症の悪化による手術、高度障害、死亡リスクもあります。そのため、入院・手術にかかる医療費や、万が一のときに残された家族の生活費について備えておくことが大切です。

もし、既に糖尿病になっていて保険加入を断られてしまうという場合には、持病があっても入れる引受基準緩和型保険や無選択型保険もあります。通常の医療保険に比べて保険料は割高になりますが、選択肢のひとつとして検討してみてはいかがでしょうか。

通院保険金(日額・一時金)を受け取れる糖尿病の人向け医療保険ランキングTOP3

【PICKUP】エクセルエイド少額短期保険「糖尿病保険プラス」

保険料(40歳男性)※入院給付5000円 入院給付金 支払限度日数 手術給付金
月額4,274円 日額5,000円 60日 入院中:5万円外来:2万5,000円歯周組織:2万5,000円

エクセルエイドの「糖尿病保険プラス」は、1年更新の少額短期保険です。毎年保険料が上がるため、特に保障を手厚くしたい時期だけ他の保険と併せて加入するなどの使い方に向いています。

退院後の通院はもちろん、入院していなくても糖尿病や歯周病による通院に対し日額2,000円の給付金が支払われるのが魅力です。

【1位】はなさく生命「かんたん告知 はなさく医療」

保険料(40歳男性)※入院給付5000円、先進医療特約 入院給付金 支払限度日数 手術給付金
月額2989円 日額3000~1万円(1000円単位) 60日、120日(通算1095日) 入院中:入院給付日額×10外来:入院給付日額×5

はなさく生命の「かんたん告知 はなさく医療」は、3大疾病に手厚く備えられるプランが充実しているのが特徴です。放射線治療1回につき5万の給付金が支払われるので、特にがんを心配している人におすすめします。

通院特約については、日額2,000円~5,000円が選べます。手ごろな保険料で必要な分だけ備えられるのが、日額タイプの魅力です。

退院後180日間に通院した日数分(支払限度30日)の通院給付日額が支給されるので、長期の通院にしっかり備えたい人は検討してはいかがでしょうか。

【2位】オリックス生命「医療保険キュア・サポート・プラス」

保険料(40歳男性)※入院給付5000円、先進医療特約、通院治療支援一時金5万円 入院給付金 支払限度日数 手術給付金
月額4,285円 日額5,000円・1万円 60日(通算1000日) 入院中:入院給付日額×10外来:入院給付日額×5

オリックス生命の「医療保険キュア・サポート・プラス」の通院特約は一時金タイプで、3万円と5万円から選べます。支払要件は退院することなので、退院後の通院が必要ない場合にも受け取れます。

一時金タイプの通院保障は、通院回数が少なくてもまとまった金額を受け取れるのが魅力です。

【3位】アクサダイレクト生命「アクサダイレクトのはいりやすい医療」

保険料(40歳男性)※入院給付5000円、先進医療特約、退院後通院特約5万円 入院給付金 支払限度日数 手術給付金
月額4,539円 日額3,000~1万円(1000円単位) 60日(通算1095日) 入院中:入院給付日額×10外来:入院給付日額×5

アクサダイレクト生命の「アクサダイレクトのはいりやすい医療」の通院特約は一時金タイプで、退院時に5万円が支払われます。

通院が長期にわたると5万円では足りなくなる可能性もありますが、通院しなくても受け取れるので、お見舞いのお返し費用などにあてることも可能です。

まとめ:生命保険加入後に糖尿病になったら責任開始日を確認しよう

死亡保険金を除く保険金・給付金は、責任開始日前に発生した病気やケガを原因としたものに対しては支払われません。生命保険の加入直後に糖尿病になったら責任開始日を確認して、責任開始日前に発病していた場合には保険会社に連絡しましょう。

知らせなくても告知義務違反にはなりませんが、いざというときに保険金や給付金がおりないのでは意味がありません。なお、告知義務違反をしていた場合は、死亡保険金も含めて保険金・給付金が支払われない可能性があります。

故意ではなかったとしても保障が受けられなくなるため、告知義務違反に気付いた時点で必ず保険会社に知らせましょう。

追加告知をしたことで契約が解除されてしまう可能性もありますが、もし通常の医療保険に入り直せなくても、持病がある人が加入しやすい引受基準緩和型保険や無選択型保険という選択肢もあります。

いざというときに自分や家族の生活を支えられるよう、今からしっかり備えておきましょう。

糖尿病保険の詳細を確認する

こちらの記事もおすすめです

当サイトでは、弊社が取扱う損害保険会社および生命保険会社の各種商品の概要について解説し、ご紹介しております。

この保険商品一覧に記載されている内容は、条件等により適用されない場合があります。

保障内容・保険料等の保険商品の詳細につきましては、必ず各保険会社が提供する契約概要やパンフレット等、をお取り寄せいただき、「注意喚起情報」「ご契約のしおり・約款」「特別勘定のしおり」等、または保険会社のWEBサイトをインターネットで必ずご確認ください。

  • 取扱・募集代理店 株式会社エレメント
  • 〒150-0043 東京都渋谷区道玄坂1-16-10 渋谷DTビル 7F
  • 電話番号 03-5428-6601